2011年12月12日月曜日

The History of Love & After Tehran

さて。
この記事、随分前に書いて、下書きとして放ったらかしていました。


The History of Love


ちょっとウサンクサソウな若干恥ずかし目なタイトルですが、、、。

これがどうしてなかなかおもしろい!のに、進まない、、という本でとても時間がかかりました。え?じゃあ、おもしろくないんじゃないか?って??それがそうとも言いきれないのですよ。


主に3人のキャラクターが登場。

Leo は第二次世界大戦中のユダヤ人サバイバー。
この本、The History of Loveの中に出てくる本、The History of Loveの著者。
子供の時に出会った女の子Almaに恋をし、年齢を重ねると共に、二人は愛を育んでいく。二人の愛が大きく深くなった頃、ユダヤ人弾圧がひどくなりつつあったポーランド。 Almaはアメリカへ渡り、Leoは2年間隠れ続け、そしてAlmaに会うためにアメリカへ。AlmaはLeoの子を妊娠していた。
Almaと再会を果たすも、Almaは、、、、、。
The History of Loveは彼女への思いを綴ったもの。




二人目の登場人物Alma、14歳。
ガンでユダヤ人の父を亡くし、英国人の翻訳家であり、寂しい思いをしている母と、へんてこりんな弟と暮らす。
自分の名前Almaが、父が母に送った本、"The History of Love"という本に登場するAlmaから名付けられたことを知り、この本に登場するAlmaが実在の人物ではないか、、と、ある一点から気がつき、彼女なりの調査を始める。
そして、ある日、ある男性が母にこの本の翻訳を、依頼する。
その男性と、本の中のAlmaとの関係は???


三人目の登場人物Zvi
ポーランドからチリに移住したZviは、Leoの友達で、Leoがナチの侵攻から逃げる際に、この”The History of Love"を持っていてもらうように頼まれる。
しかし、Leoが死んだもの、、と思いこみ、この本を自分の名前で、スペイン語で出版してしまうZvi。


この三人の話が交合に語られる、The History of Loveという本を巡り巡る話。




Leoの部分は最高におもしろく、Leoの孤独さ、プライド、長年持ち続けたひとりの女性への愛、色んな物が混じった悲しいような、寂しいような、でも”どうにか今日も生きている”感じが、とても良かった。


Leoは彼女に約束していたの、、
あなた以外の誰をも愛さない、、って。
そして、その約束通り、死ぬまで彼女を思うのです。




Almaがたまに見せる、teenの不器用さのようなものが、時々ハラハラするけれど、クラスにひとりくらいいそうな、ちょっと奇妙な存在感がおもしろい。


でもね、、、このZviの話が、私には全くおもしろくなく、しかも、同じ人が一冊の本の中に書いたとは思えないような暗い感じ、、と私は思った。


それで、、、総評価は、、、、まあ、おもしろいんだけど、ところどころのまどろっこしさに”まあまあかな”、、、の評価。


そして、読みかけてやめちゃった本がこちら。


左の"After Tehran"の方です。


これは、右の"Prisoner of Tehran"のその後、、って感じなのですが、、。


Prisoner of Tehranは、本当に本当におもしろい本でした。
彼女の悲惨な体験を読んで”おもしろい”という表現が、適していないように思われるけれど、、、。

話はこう。
この本の著者、イランに住むMarinaは17歳のある日、逮捕されEvin刑務所に連れていかれる。イランのエヴィン刑務所と言えば、泣く子も黙る、生きて帰ってこられるか保証無し、、という刑務所。

この本の背景になる、イランの歴史、、を簡単に言うと、、、

最後の王朝パフラヴィー朝から、現在のイラン共和国になる時に、ホメイニ師をリーダーとした革命が起こり、国がイスラムを支柱とするやり方に変わって行こうとしていたわけ。女性は、必ずヒジャブとか、ブルカとかよばれる頭を覆う布をかぶらないといけないとか、お化粧をしてはいけないと か、、。シャー(パフラヴィー朝の王様)は、どちらかというと、欧米に近づこうとしたんだな。しかし、やっぱりイスラム教で、この国はやってこうぜ!と、 ホメイニ師は立ち上がったわけでございます。それだけでなく、王政が腐敗してたのもありますね。オイルマネーは、いつの時代も争いごとを起こします。 シャーにも、お金が沢山入っていたわけです。


それで!ホメイニ師を指示するグループが、反ホメイニ師の若い人たちを次々に逮捕し、拷問、レイプ、処刑が毎日のように、このエヴィン刑務所で行われていたわけです。

それで、この著者Marinaは、なんと!看守に思いを寄せられ、愛され、、求婚されます。
”自分と結婚したら、家族と君が好きだったアンドレを助けてやる!”と。

この交換条件をのんだ彼女。
カトリックからイスラム教へ改宗して、アリと結婚。

アリは、それなりに彼女に優しくするけれど、とてもじゃないけど、愛してもいない人と結婚した彼女は彼に冷たいわけです。それでも、看守の妻という立場を利用して、アリに友達を処刑から免れるようお願いします。でも、このような組織の中で、特定の人たちを救うのはかなりむずかしいこと。

段々と、自分がやっていることに嫌気がさしてくるアリ。
とうとう、刑務所での看守をやめることを決意。
その頃、Marinaのお腹には、アリとの赤ちゃんが、、。

そして、、、ある日。
二人がアリの実家から出てくるところで、アリは暗殺される。
銃弾からMarinaを守るべく、アリは彼女をかばい、倒れた衝撃でMarinaは流産する。

結局、彼女は刑務所を出て、家に帰ることができます。
そして、初恋の人だったアンドレと結婚して、現在トロントに家族と住んでいるのです。

それで、、ですよ。

このPrisoner of Tehranは、すごく興味深い本だったのですが、どうも、この本を出した後、Evin刑務所のサバイバー達から、”看守と結婚していた彼女の刑務所生活なんて、私たちのとは、全然ちがう!!”と大反論・大批判を浴びることになるわけ。

それは、文書、インターネット、ラジオ、、あらゆるところで、彼女は彼女の苦悩をわかってもらえず、ただただ非難を浴びるのです。

それで、この本、After Tehranは、それら非難や反論へ真っ向対立、”私も私で辛かったのに、、、”という気持ちを出し切っているのだけど、、、。



ケンカはね、同じ土俵でやろうよ?








と、いうことで、本を一冊出した人の強み、、で、またまた本を出版することで反論返し。そうすることで、彼女の言葉は幅広く世間に広められるけど、なんだかなあ、、、そこまでして、”私だってかわいそうだったんだよ!わかってよ!”と、言いたいかな?とも思うし、何より、その人達への反論を文にして本にして売って、、って、どうなのかしら?と。本当の目的は??



やはり、、、、




マニー(MONEY)かしら??




彼女は、頭も良かった、カナダにも移民できた、文才もあった、英語でこの本が書けた、、でも?他の人は??別に平等でなければいけない、、とは言いません。たしかに、愛してもない、しかも看守と改宗までさせられて、結婚、妊娠までした。それは彼女にとっては堪え難い屈辱であったと思う。でも、他の囚人達とは違って、良いこともあった。







時に、沈黙を守ることは、何にも勝る強い武器のときがある。

わかって欲しいのは、わかる。
そうだね、、ひたすらこの人はわかって欲しかったんだな、、きっと。

皆を説得する、、って、時に、無理だと思うのですよ。
わかってもらえる人にだけ、わかってもらう、、ってのはダメなんですかね??彼女が、反論する人たちを理解しないように、反論する人たちは彼女を理解しないのですよ。



でもね、読んでて繰り返される”わたしだって、、、わたしだって、、、大変だったのよ!”に飽き飽きしだして、読むのをやめてしまいました。

もしかしたら、私が読んでいない部分に何か良いことが書いてあるのかもしれないけど、、、、とりあえず、読むのを休憩。

(以上、あくまで私の考えです)

おわり。

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